イギリス階級制度|上流階級から労働者階級まで

現在のイギリスには公式な階級制度は存在しません。

しかし、非公式(または暗黙の了解といった形で)には、上流階級や労働者階級と言った言葉が使われ、現在でも人々の頭の中に、階級制度の考えが残っているのが分かります。

では、具体的にそれぞれの階級とはどのようなものなのでしょうか?

具体的に、イギリスの階級制度(非公式)について見ていきましょう。

イギリスの階級:労働階級

不熟練労働階級と半熟練労働階級

従来、この階級の人たちは肉体労働を行っていました。義務教育が終わり次第、高等教育を受けることなく、仕事を始めていました。

多くはイギリスの大手自動車工場、鉄鋼所、炭坑、鋳造所、繊維工場の組立ラインや機械工場で不熟練労働者や半熟練労働者としてウェストミッドランド地方、イングランド北部、ウェールズ南部、スコットランドのローランド地方などの工業都市で働いていました。

しかし、1970年代半ばから1980年代初頭の産業の空洞化によって多くの共同体が崩れ、生活の質(QOL)の大幅な低下や改善してきていた産業労働者階級の生活水準が再び低下する原因となりました。

ワーキングプアに陥ったり、公共の福祉への慢性的な依存に陥ったりする人たちが増えました。

完全に貧窮し、ブラックマーケットに加担する人もいる一方、ほんの一握りの人たちは中流階級の下層部に上がることができました。

モザイク2010グループは2010年のモザイク指数で「高」に属するとされたNRS社会階層Dの住人の一部は、「買取り権利付き公営住宅に住めるだけの十分な収入がある」「低層の公営住宅に暮らす家族で、福祉に頼る必要性が高い」とされています。

架空の設定には、アンディ・キャップとアルバート・ステップトゥなどの人物がおり、つまらない人間であるだけでなく、息子ハロルドのやる気をも潰すタイプの人です。

このタイプの人たちは労働組合や労働党支持者の主流であるものの、架空の人物アルフ・ガーネットのように特にイギリス南東部ケントのメッドウェイや東ロンドンとエセックス郊外の境などに住む労働階級の保守層でもあります。

製造業の衰退とサービス部門の成長により、賃金の低い事務職は本質的には労働者階級となりました。特にコールセンターはかつての産業中心地に増えてきました。

戦後、白人系イギリス人の労働者階級の生活水準は大きく改善しました。デニス・ブレイクウェイは以下のように述べています:

「白人労働者階級の生活水準は、戦後大きく改善しました。

可処分所得は未だかつてないほど増加し、自分たちの両親や祖父母の世代よりもはるかに豊かな生活を送っています。白人労働者階級文化には共通の価値観がありますが、「白人労働者階級」を的確に定義するのが何かを特定するのは非常に難しいと思います。

それはサッカーやパブなど、中流階級と共通のものが多いからです」

熟練労働者階級

この階級の人たちは、従来の建設業や製造業において熟練した技術が必要とされる職業や商売人に携わっていますが、ここ数十年で典型的なホワイトバン・マンと呼ばれる自営業者などの起業家の台頭がみられます。

こういった人たちは、地元の訛りで話し、大卒ではなくて職人の見習い経験のあるタイプです。

モザイク2010グループでNRS社会階層C2の中で2010年モザイク指数が「高」とされたのは「買取り権利付き公営住宅に住めるだけの十分な収入がある」住民のみです。

労働組合員である率や労働党支持率は高いですが、イングランド南東部のエセックス・マンと呼ばれる人口層やウェストミッドランド地方に住む人たちは不熟練労働階級よりも保守党に投票する割合がわずかに高くなっています。

イギリスの階級:中流階級

下層中流階級

イギリスの下層中流階級は事務職が主流です。19世紀には下層中流階級および中流階級は、馬が引く乗合バスや鉄道の発達により、郊外に住むことが可能になりました。

革新的なリベラルな政治家の1人(チャールズ・マスターマン)は1909年の著作物で「中流階級(ミドルクラス)」と「サバーバンズ」を同義語として使っています。

21世紀初頭にはモザイク2010地理的人口統計グループの中で、NRS社会階層C1で2010指数で「高」または「低」と部類された人たちはおらず、郊外、田舎、都市、小都市に関わらず、全てのモザイクグループで「中」と分類されています。

大抵の場合、彼らは専門技術を必要としないサービス部門の仕事に就いていたり(小売販売や旅行代理店など)、自治体関連の仕事や工場などで仕事をしたりしていました。

1960年代以降拡大した高学歴志向以前は、この階級に属する人たちは大学を出ていませんでした。

下層中流階級に属する人は大抵の場合、地元の方言で話しますが、訛りはそれほど強くありません。

このエリアでは支持投票は分かれており、少数派政党への支持が強くなっています。ヒヤシンス・バケットというコメディキャラクターがこの社会階層の風刺的なステレオタイプとされています。

中層中流階層

イギリスの中流階級は公立または私立の学校に通い、第3次教育を受けている人が多いです。

典型的な職業:会計士、建築家、弁護士、検査官、ソーシャルワーカー、教師、マネージャー、ITスペシャリスト、エンジニア、医師、大学教育を受けた看護師、公務員など。

財力を誇示するための消費行動は下品だとされていおり、彼らは超過所得を不動産などの投資に充てることが好まれています。

中流階級に属する人は、政治にも社会にも積極的に参加しており(2005年のモリ調査ではグレードABの70%が2005年5月の選挙で投票しています。グレードDEの投票率は54%でした)、教会に定期的に通う人もいますし(2014年のユーガブ調査では、少なくとも月に1回教会に行く人のうち62%はNRSグレードABC1だったことがわかっています)、地元の委員会や理事会に属したり、公職に立候補したりする人もいます。

中流階級においては教育が非常に価値のあるものとされており、子供達が大学教育を受けられるよう手を尽くします。

学費を払って私立の学校に入れたり、優れた公立校や入試のあるグラマースクールに入れるために学区内に引っ越したりします。

また、彼らはカルチャーに価値を見出しており、本を購入したり劇場に行ったりする人たちの大半はこの階層に属しています。

彼らが読む新聞はタブロイド紙ではなく、ブロードシートと呼ばれる、大判紙です。政治的には自由民主党を支持する人が非常に多いです。

モザイク2010地理的人口統計でNRS社会階層Bの中で唯一2010指数が「高」だったのは「新築分譲地に住む人たち」でした。とりわけイングランドの中流階級の人たちは「ミドルイングランド」と称されます。

コメディキャラクターマルゴ・レッドベターやジリー・クーパーのハワード・ウェイブリッジなどがこの階層の風刺的ステレオタイプです。

上層中流階級

イギリスの上層中流階級は代々高収入の家族に生まれた人たちからなっていますが、この階層は職業や収入よりも家系によって定義されます。

イギリスではこの階層はいわゆる標準語とされるアクセントを身につけています。

上層中流階級は伝統的にインディペンデントスクールと呼ばれる私立校で教育を受けており、何百年もの歴史を誇り、1人あたりの年間授業料が33,000ポンドにものぼる(2014年時点)「メジャー」「マイナー」「パブリックスクール」の1つに通うことが好ましいと考えられています。

上層中流階級に属する家族の多くは上流階級の直系であるものの、地主層ではないことが多かったり、男子がおらず、苗字や肩書き/スタイルなどを継ぐ人がいなくなったりしたために、かつての地位が消滅してしまうケースも多いです。

このような分類は正確ではないものの、上層中流階級にはボリス・ジョンソン、ケンブリッジ公爵キャサリン妃、デビッド・キャメロン、ヘレナ・ボナム・カーター(女優)やマシュー・ピンセント(アスリート)などがいます。

イギリスの階級:上流階級

イギリスの「上流階級」は統計的に非常に少数で、貴族、紳士、世襲的な地主などに占められています。

世襲階級(一代貴族ではない;例えば、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵/スコットランド の貴族院議員)を有するものが多く上流階級に属しています

従来、上流階級の子供達は初めの数年は自宅で乳母によって育てられ、その後家庭教師によって家で教育を受けてきました。

19世紀後半からは、上流階級の家族が中流階級の家族のようにパブリックスクールに通わせることが人気となりました。

パブリックスクールは中流階級の子供を教育するために設立されることが多かったようです。最近では、子供達の年齢が上がるとプレップスクールに行くこともあります。

中等教育に進む時にパブリックスクールに通うことが一般的ですが、公立の学校に進学させる家族もいます。

その後の教育の目標は家族によって異なり、その家族がどのような教育を受けてきたのかにも影響を受けます。

かつては英国陸軍や英国海軍に入隊したり、聖職者になったり、学問研究の道、特にイギリス最古で最も権威のある大学(オックスブリッジ、オックスフォードとケンブリッジ)において芸術や人文科学を学んだりすることが上流階級の人たちのキャリアパスとなっていました。

実際、1840年まではオックスブリッジの卒業生の大半は聖職を授与されていました。

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